客室から、時計を外しました」大分・日出〈コスタ・デル・ソル ひじ〉支配人が教える、波打ち際で時間を忘れる一泊

九州・沖縄

大分県日出町。「日が出る町」と書く、別府湾に面したこの土地に「コスタ・デル・ソル ひじ」はあります。コスタ・デル・ソルとは、スペイン語で「太陽の海岸」。宿の名前が、そのままこの場所の性格を言い当てています。ベランダのすぐ下が波打ち際、という距離に建つ客室には、それぞれ海を望む温泉が付いている。そして、部屋に時計がありません。宿泊業はこの宿が初めてだったという支配人・藤井さんに、口コミにも予約サイトにも載らない“いちばんいい過ごし方”を伺いました。

まず、この宿の「いちばんいい過ごし方」を教えてください。

「コスタ・デル・ソル」は、スペイン語で太陽の海岸という意味なんです。そして日出町は、まさに日が出る町。うちのいちばんの魅力は、やっぱり朝の、日の出の時間だと思います。

客室には半露天風呂が付いていますので、そこに浸かりながら、海から昇ってくる太陽を眺める。これが最高の時間じゃないでしょうか。泊まられたお客様の口コミを見ても、「海の景色を見ながら温泉に浸かって、感動した」というお声がいちばん多いんです。皆さん、そこに価値を感じてくださっているんだと思います。

しかも、部屋から海が本当に近いんですよ。ベランダ越しに、波打ち際がすぐそこに見えるような立地なので。目でも耳でも海を感じていただけると思います。

「いちばんいい部屋」はどこでしょう。

4人から6人くらいまで対応できるコテージがあるんです。「201」というお部屋で、1階がリビング、2階が寝室になっている。ここがいちばんだと思いますね。

1階のリビングの窓際に、椅子を並べているんです。そこから朝日を見たら、都会では絶対に味わえない感動があると思います。私も以前は東京に住んでいたので、都会の気持ちも分かるんですが、こちらに来て、こういう自然に触れるのは本当に最高だなと思います。

人数が多いぶんお部屋の料金は高くなりますが、お一人あたりで見ると、他のお部屋とそれほど変わりません。ご家族やご友人同士でいらっしゃるなら、ここをおすすめします。

常連さんだけが知っている楽しみ方はありますか。

いま挙げたコテージとは別に、6部屋並んだロッジがあるんです。2人から3、4人まで泊まれるお部屋なのですが、このうち、4部屋だけ小部屋が付いているお部屋があるのです。

お風呂の隣にある小さな部屋で、一面が大きな一枚ガラス張りになっていて、海が見える。本当に、海の景色を見るためだけの部屋なんです。非日常を味わえる空間だと思います。

常連の皆さんは、まずそこを気に入ってくださる。「お酒を飲みながら、何時間でもいられる」とおっしゃいます。ダブルのお部屋には全部屋付いてます。だから、知っている方は皆さんダブルを選ばれますね。

夜は海を眺めて、朝は同じ場所から日の出を見るのがおすすめです。

スタッフだけが知っている風景はありますか。

満月の日ですね。月明かりが海に反射して、光の道みたいになる時があるんです。年に何日かしかなくて、しかも晴れていないと見られない。その日にたまたま泊まられたお客様だけが、その光の道を見られる。

雨の日だからこその過ごし方はありますか。

今日なんて、まさに一日ずっと大雨なんですけど。こういう時こそ、お部屋の中で、雨と波の音を聞きながら何もしない。それがいちばんの贅沢だと思います。

ゆったりと自然の音を聞きながら、温泉に入っていただく。それがいちばんのおすすめですね。

客室に、時計がないそうですね。

はい、あえて置いていないんです。時間を忘れてもらうために。

以前は付けていたんですよ。ただ、時計の秒針の音が気になる、というお声もあって。それなら音のしないものに替えようか、とも考えたのですが——いや、もう外してしまって、非日常を体験してもらおう、と。チクタクという音も聞かせたくないですし、「あ、いま何時だ」と思ってほしくなかったので。

皆さんスマホをお持ちですから、時間は分かるはずですしね。これでクレームが出たら戻そうと思っていたんですが、一件もなかったので、あ、これは当たりだったなと。いまは、あえてそのままにしています。

お食事はどんなスタイルですか。

お部屋食はやっておらず、レストランで焼肉スタイルでご提供しています。ここも大きな一枚ガラスの窓になっていて、海を見ながら召し上がっていただけます。

方角の関係で夕日そのものは見えないのですが、夕焼けで赤く染まった海は見えます。それから朝食。夏は少し早いのですが、冬だと、ちょうど太陽が昇ってくるタイミングで朝食を召し上がっていただけるんです。レストランの窓からの海の景色も、最高ですね。

ランチも、1日先着3席限定でやっています。和牛カルビ、上ハラミ、大エビ、ホタテに、地鶏。この地鶏は「冠地どり」という大分の地鶏で、醤油によく合うんです。それを厳選して、醤油漬けでお出ししています。鶏肉だと思って侮っていると、「こんなに美味しいの」と驚かれると思います。柔らかいんですよ。

告知はインスタグラムと公式サイトだけなので、まだあまり知られていないんですけどね。

どんなお客様が多いですか。

本当に老若男女、幅広くいらっしゃいます。若いカップルの方から、ご年配のご夫婦、夏休みの時期はご家族連れやお子さん連れも。特にどの層を狙って、という感じではないんです。

ただ、基本のコンセプトとしては「記念日に使ってもらえる宿」を目指しています。結婚記念日やお誕生日に、記念にここへ泊まろうよ、と言っていただけるホテルでありたい。実際に、娘さんが全部出してくださって「予約してもらって来たんです」とおっしゃるご年配のご夫婦もいらっしゃいますよ。

記念日プランでは、写真を紙にプリントしてくださるとか。

はい。お部屋にちょっとした飾り付けをして、デザートの時にアニバーサリープレートをお出しして、写真撮影をします。それを、あえて紙にプリントアウトして、額に入れてお渡しするんです。

いま、皆さんスマホですよね。デジタルの画像はスマホの中にたくさんお持ちだと思うんです。でも、紙焼きの写真は、この時代わざわざ現像しないだろうなと思って。それならこちらでプリントして、額に入れて差し上げようと。

いまだからこそやってみたら喜ばれるかな、と始めてみたんです。これが結構、好評なんですよ。

宿として、いちばん大事にしていることは。

会社のコンセプトでもあるのですが、「お客様のご旅行の一瞬一秒を、最高の瞬間に変える」。これを軸にしています。

お部屋に入られる瞬間から、お食事、チェックアウトに至るまで。その一分一秒を、お客様にとって最高の瞬間に変える。そのための努力は、やっぱり続けていますね。

中の人のとっておき|コスタ・デル・ソル ひじ

  1. 半露天風呂から見る、別府湾の日の出「太陽の海岸」の名を持つ宿が、日が出る町・日出に立つ。客室の湯船に浸かったまま、海から昇る朝日を待つ時間がこの宿の核心。
  2. ダブルベッドの部屋にだけある「海を見るためだけの小部屋」ロッジのダブル3部屋のみ、風呂の隣に一面ガラス張りの小部屋が付く。常連はこれを知っていて、必ずダブルを選ぶ。
  3. 記念日プランの、額に入った紙の写真飾り付けとアニバーサリープレート、そして撮影した写真をあえて紙にプリントし、額装して手渡す。スマホの時代に、持ち帰れる一枚を。

宿DATA

宿名コスタ・デル・ソル ひじ
所在地大分県速見郡日出町川崎4144-1
客室内湯温泉付ロッジ 101〜106(6室・2〜4名/うちダブル3室に海を望む小部屋)、コテージ20 1(4〜6名・1階リビング+2階寝室)〔総室数要確認〕
風呂客室の半露天風呂(別府湾を望むかけ流し・弱アルカリ性単純温泉)
食事レストランでの焼肉/バーベキュースタイル(部屋食なし)。ランチは1日先着3席限定のセット2,000円〜4,000円
特徴ベランダのすぐ下が波打ち際/客室に時計を置かない/記念日プラン(飾り付け・アニバーサリープレート・額入りプリント写真)/満月の夜の「光の道」
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地図

大分県速見郡日出町川崎4144-1

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